『フレミングの家』というネーミングになりました!
また、完成写真をアップします。(撮影 佐久間正人)
敷地の周囲はその昔、のどかな田園風景が広がっていましたが、今は大型ショッピングセンターや大きな駐車場などここ数年で周辺環境が変化しました。
しかし北側には、ショッピングセンターの開発の為に出来た緑地帯が緩衝帯として確保され、南側には広い駐車場がオープンスペースとして在りました。
この母屋との関係や間合い(隙間)、緑地帯などの周辺環境をどのように空間に取り込めるかを繰り返し検討しました。
そして、庭とピロティをオープンスペースとし、母屋に対してL型のボリュームで建物を配置しました。母屋に近い側は低層の下屋とし、その上は屋上デッキテラスとして引きをとり、突出た2階のLDKから遠くの風景までが空間に取り込めるように計画しました。
テラスからは北側に隣接する緑地帯が見下せるとともに、南側の庭~広い駐車場、公園の森や丘を登る坂道まで見通せる、船の甲板(かんぱん)のような気持ちの良いスペースとなりました。
また、毎年夏に開催される花火大会の観覧スペースとして、友人を呼んでのホームパーティーなどに活躍しそうです。
内部はスキップフロアーによって床下の収納空間を確保すると共に、2階ワンルームのLDKと1階寝室、1.5階の多目的スペースや2.5階の子供室などの小空間と全体を緩やかに繋げています。
L型の建物下のピロティは車を駐車したり、母屋の庭と一体的な土間空間として多目的に利用できたり、さながら現代の『曲がり屋』のような使い方ができます。
建物の形がフレミングの左手の法則の手の形に似ていることと、風景をフレーミングするという意味を込めて、この家のネーミングをつけました。