『小原田の家』 4つの箱と串刺し動線
まずは外観について、敷地が古い街並み特有の間口が狭く奥行きが長い土地を有効に使うためと、近接する母屋との程良い距離感を保つため、4つの箱をずらして置きました。
周囲のスケールに合わせボリュームを小分けにしたことで、隙間や間合が生まれ、隣家や母屋に対して圧迫感をなくすことができました。
また、この隙間を縫うように大小さまざまな大きさの庭ができ、隣地との関係や内部の生活空間に潤いと楽しみをもたらせるようにしています。

日の当たり方で、面よって様々な色に見える外壁を選んでいます。
特に曇り空の日の色が個人的には好きです。

内部はこの4つの箱を串刺しにしたような、貫く1本のスペースが移動動線となっています。
スキップフロアーとしているので、移動に伴い階段を登ったり降りたりし、空間が収縮したり膨張したりと変化します。
自然界の地形の様に変化する、『山あり谷あり』の空間となっています。

写真には写っていませんが、左に下りる階段もあり、床下収納を通る立体的に回遊する隠し動線もあり、『忍者屋敷』のような面白さを実現しています。